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【疑う力・創る力】(岡田 豊)日本は既に後進国か 本質からズレた高市政権の経済対策

「日本は既に後進国になっているのではないか」。11月、シンクタンクで働く知人にこう投げかけられました。日本の国力の衰退が鮮明になっています。先進国だと胸を張って言う人も減っている気がします。その原因として、人口減少よりも深刻な問題があります。それは、日本人が本質な思考をできなくなっているということです。

 

高市政権がきょう11月21日に閣議決定した「総合経済対策」は、従来のバラマキ路線が色濃く反映した、貧弱な内容にとどまりました。財政支出の規模は膨らみました。計21.3兆円の半分程度が、物価高対策を主な名目にしたバラマキと言っていいでしょう。財政悪化の懸念が市場に広がり、長期金利が上昇しています。安易にバラマキに依存する政策は、政治の怠慢にほかなりません。政策の本質からはずれています。これまでにない政策のアイデアを絞り出し、既存の規制を見直すといった大変な労力、努力に比べれば、財政支出や金融緩和は、政治家にとって楽です。こうした教訓を我々はアベノミクスという失政から学んだはずです。

 

「日本が今行うべきことは、行き過ぎた緊縮財政により国力を衰退させることではなく、積極財政により国力を強くすることだ」。高市早苗首相はこう語りました。この言葉に疑問を感じます。おこめ券、電気・ガス代補助、ガソリン減税、子育て応援手当てなどのバラマキは、一時的には国民の財布を支えてくれるでしょう。しかし、その効果は、乾いた砂に水がしみこむように、あっという間に消えていきます。

水が流れ、その水がさらに新たな流れを創る。これが必要な経済対策の要諦です。財政が2次的、3次的に経済効果をもたらさなければ、強い経済などつくれないばかりか、財政悪化に拍車をかけ、国民に苦渋を強いる結末を迎えることになります。一方で、危機管理投資・成長投資などに投じる7.2兆円は、強い経済を促す可能性があり、これは期待したいと思います。

 

「日本の衰退はもう反転しないかもしれない」。日本の失われた30年を見つめてきた、知人の元当局関係者はこう語ります。この知人は約10年前、「日本が財政破綻状態に陥れば、政治家は目を覚ますだろう」と、まだ期待を抱いていました。しかし、いまや深い悲観に覆われています。政治の劣化が著しいからです。従来の思考。小さい思考。俯瞰できない思考…。政治が、政権が、こんな思考では、日本の衰退は止まるはずがありません。日中関係を悪化させた、台湾有事をめぐる高市首相の発言もいただけません。政治家としては未熟です。

 

必要なのは、物価高対策という小さな政策ではなく、円安状態や日本売りを転換させる根本的な政策です。日本の経済構造を根底から強化し、拡大する総合的な国家構想の実践です。全く新しい産業の創出であり、イノベーションを巻き起こす教育制度の変革です。もはや政治家の責任論だけで考える状況ではないのでしょう。日本人全員が、日本人一人ひとりが、次元の異なる、大きな思考、大胆な思考で、未来を創る政策を生み出す時が来たのではないでしょうか。

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