「あなたは、第3次世界大戦を賭けたギャンブルをしている。支援してきたアメリカに失礼だ」。2月28日、ワシントンのホワイトハウス。アメリカのトランプ大統領は執務室で、ウクライナのゼレンスキー大統領にこう言いました。停戦に向けたトランプ氏とゼレンスキー氏の大切な会談は決裂。2人は気色ばんで口論になり、予定された共同記者会見は取りやめになりました。
ロシアとウクライナの停戦交渉は、トランプ大統領とプーチン大統領の主導で進められています。ウクライナを排除する交渉は論外と言わざるを得ません。トランプ氏がロシア寄りの言動を続けるのは、なぜでしょうか。プーチン氏に何か弱みを握られているのでしょうか。停戦後の〝世界新秩序〟の構築に向けて、何か別の力が働いているのでしょうか。
これはロシアによる侵略戦争です。ロシアによる殺戮です。人間の所業ではありません。プーチン氏にどんな理由があろうとも、人間として決して許されない行為を犯し続けているのです。ロシアに殺されたウクライナの市民や兵士はどんな思いでいるのでしょうか。戦地に駆り出されたロシア兵も同様でしょう。
停戦交渉が始まっているのだから、戦地の殺し合いをまず止めたらどうでしょうか。停戦のタイミングで有利になるように、それを見越した領土の奪い合いが激化している前線もあります。
人間同士のこの愚かな応酬をもう終わりにしたい。私たち人類は、もっと大きな声で殺戮を憎み、もっと強いトーンで平和を叫び続けたい。平和を希求する言葉は、きっと誰でも口にできるはずです。(2025年3月)