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【疑う力・創る力】一人ひとりの市民が平和へ立ち上がる 杉並区の歴史に学ぶ(岡田 豊)

平和を実現させるために一人ひとりの市民に何ができるのか。これを考える上で、東京都杉並区の歴史が大切な「メッセージ」を残してくれています。「原水爆禁止署名の活動」は東京・杉並区から始まったのです。杉並区にかけがえのない「平和の資産」「平和遺産」があるのです。

戦後81年となった8月15日、私が主宰する市民塾「自考館」が開催した特別市民講座『戦争と平和を自考する~戦後81年の日に~』でも、この「メッセージ」を共有しました。

1954年のビキニ環礁での水爆実験(第五福竜丸の被爆)の後、放射能汚染への恐怖から魚の買い控えが起き、市場や鮮魚店が倒産の危機に直面。子どもらの命を守りたいという危機感も高まりました。杉並区で鮮魚店や地域の母親、主婦などを中心に切実な声があがり、水爆実験からわずか4カ月余りで全区民の3分の2となる27万余の署名が集まりました。そして、この動きは国内だけでなく、世界にも広がっていきます。

署名は事態を直接改善する力にはなりません。しかし、市民が強い意思の表明する署名は政治を動かす力になります。
 
ここで大切なキーワードを拾ってみました。「食の安全」「一人ひとりの市民」「市民の声」「女性」「母親」「拠点となった杉並区立公民館という居場所」「政党の主張を超えた超党」「ヒューマニズム」などです。

「なんの力もない市民一人では何もできない」。こうあきらめる必要はないと私は考えています。今後、日本の平和の形が、あらぬ方向に変わっていく可能性もあります。「何とかしたい」という気持ちがわき起こった時、かつて杉並の市民たちが残してくれた行動を思い起こしませんか。

これらのキーワードを見ると、たった一人の庶民に自分にも「本気になれば何かを動かせるかもしれない」と思わせてくれます。日本の平和が変わりかけている戦後81年の8月。杉並のこの平和資産、平和遺産のことを覚えておきたいと思います。

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#岡田豊